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NTT e-Drone Technology AC101での果樹散布 実証実験報告1【柚子/高知県】

農業用ドローンAC101は主にコメ、ムギなど、日本の水稲に最適な機体のひとつです。最近では空中散布用の薬剤の拡大や緩和によって露地物にも応用されて実績をあげています。
デモ会などを通じて紹介していますが、和歌山、奈良、そして四国では果樹への要望が強く、これに明確な回答ができずにいました。
運良く高知県内の柚子園でその実証実験を行うことができました。

まずはグラウンドで散布幅の確認。ほぼ無風の中、地上高1.5m、15km/hの飛行、吐出量40%で5m幅の散布量の違いをテスト。1mおきに感水試験紙を置き散布量と均一な付着をチェック。

 


次に場所を山間部の柚子園に移し、感水試験紙を果樹の上部、中部、下部の各葉オモテ、葉ウラに設置。グラウンドでのテスト結果から、吐出量最大、速度約3km/hでの往復飛行を行いました。AC101はこうした傾斜地での運用ルールがないため、オペレーター(操縦者)とナビゲーター(補助者)と綿密な事前打ち合わせを行い、常にお互いが見える位置、かつ機体が目視できる位置からのマニュアル飛行での試験。
急斜面で3次元的に高度を調整するため慎重な操作が求められますが、飛行そのものは低速なこともあり、一定の経験があればそれほど難しいものではないことが分かりました。
下部の葉ウラへの付着もわずかながら確認でき、薬剤の効果が認められれば、かなりの負担軽減になります。同時にいくつか検証すべき事象も発見したので、引き続き検証を行っていきます。

AC101に限らず果樹へのドローン散布は現場によって、作物、樹高、薬剤などによって変わってきます。この点においては、飛行時間の長さ、タンク容量、コンパクトさ、運用のしやすさでAC101は優位にあると考えられます。もちろん将来的には地形や樹高の測量データを元にした自動航行へ向かっていますが、総合的なコストや効率をしっかり検証することも必要です。

 

万能なドローンはなく、現場に合わせた適材適所の機体と運用が重要です。

 

追記
今回は薬剤ではなく水を使用しています。薬剤の粘性による違いなども今後検証していきます。